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不動産投資とREITどちらが有利?比較でインカムゲインと税金の違いを解説

REIT(不動産投資信託)

中村 巧

筆者 中村 巧

不動産キャリア25年

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不動産の事なら何でもご相談ください。

同じインカムゲインを得る方法でも、不動産投資とREITでは仕組みもリスクも大きく異なります。
さらに税金の扱いも変わるため、どちらを選ぶかで手取り額や将来の資産形成スピードに差が出ます。
そこで本記事では、節税と資産形成の両面から、不動産投資とREITを比較しながら整理していきます。
それぞれのインカムゲインの特徴や、キャピタルゲインとのバランス、税負担を軽減するポイントまで順を追って解説します。
なんとなくのイメージではなく、数字と仕組みに基づいて判断したい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

不動産投資とREITの基本構造と収益の違い

まず、不動産投資は投資家が自ら建物や区分所有物件などの現物資産を取得し、賃貸や売却によって収益を得る方法です。
これに対してREITは、多数の投資家から集めた資金をもとに投資法人が複数の不動産を取得・運用し、その成果を分配金として投資家に還元する仕組みです。
現物不動産投資では物件選定から賃貸管理まで投資家自身が主体となる一方で、REITでは運用の専門家が資産運用を担う点が特徴です。
また、REITは証券取引所に上場されており、市場で投資口を売買できるため、現物不動産に比べて換金のしやすさが高いとされています。

不動産投資の収益は、賃料収入のように保有中に継続して得られるインカムゲインと、売却時の値上がり益であるキャピタルゲインの2つに大別されます。
インカムゲインは安定した家賃収入を積み重ねることで、中長期的な資産形成や将来の生活資金源として位置付けやすい性質があります。
一方、キャピタルゲインは地価動向や金利環境、物件の改修状況などに左右されやすく、収益が発生するタイミングも売却時に限定されるため、インカムゲインより変動が大きくなりやすいとされています。
REITについても同様に、分配金がインカムゲイン、投資口価格の変動による損益がキャピタルゲインとして捉えられ、両者を合計したトータルリターンで評価される点は共通です。

現物不動産のインカムゲインは、長期の賃貸借契約や需要の安定した用途であれば比較的安定しやすい一方、空室や修繕負担、災害など個別物件に固有のリスクを直接負うことになります。
REITは、多数の不動産に分散投資しているため、特定物件の空室や賃料下落の影響を抑えつつ分配金を支払う仕組みとなっており、インカムリターンが比較的安定しているという分析も示されています。
ただし、REITは市場環境や金利動向の変化を受けやすく、投資口価格や分配金が景気局面によって変動する点にも注意が必要です。
また、流動性の面では、売却までに時間を要することが多い現物不動産に対し、REITは市場で日々売買されているため、必要に応じて資金化しやすいという違いがあります。

項目 現物不動産投資 REIT投資
投資対象 個別の実物不動産 複数不動産の投資口
インカムゲイン 家賃収入による現金 分配金による現金
リスクの特徴 空室・災害等の個別影響 市場・金利等の価格変動
流動性 売却まで時間を要する 市場で売買しやすい

インカムゲインで比較する不動産投資とREITのメリット

まず、不動産投資とREITのインカムゲインは、水準や分配の安定性に違いがあります。
現物不動産は、立地や賃貸ニーズ次第で利回りが変わり、自己の工夫しだいで賃料水準を高められる一方、空室が出ると収入が途絶える可能性があります。
一方でREITは、多数の物件からの賃料収入をまとめたうえで、運用会社が分配方針に基づき投資主に分配金を支払う仕組みです。
近年の分析では、REIT全体として分配金部分のリターンは比較的安定しており、長期の資産形成では、安定的な分配金を再投資することで複利効果を得やすい点が重視されています。

次に、家賃収入とREIT分配金の変動要因を比べてみます。
現物不動産では、空室率の上昇や賃料水準の下落が、そのまま家賃収入の減少につながります。
一方でREITは、多数の物件に分散投資することで個別物件の空室リスクを抑えつつも、不動産市場全体の賃貸需要や景気動向、金利水準の変化などにより分配金が増減します。
さらに、金利上昇局面では、REITの借入コスト増加や、他の利回り商品の魅力との比較により投資口価格が調整され、その結果として分配金利回りや価格変動が大きくなる可能性がある点にも注意が必要です。

最後に、インカムゲイン重視のポートフォリオ設計では、不動産とREITをどのように組み合わせるかが重要になります。
現物不動産は、長期保有により安定した賃料収入を狙える一方で、物件ごとの集中投資になりやすく、売却までに時間を要するなど流動性の制約があります。
これに対してREITは、比較的少額から複数用途の物件に分散投資でき、証券市場を通じて売買できるため、インカムゲインを得ながら流動性も確保しやすい特徴があります。
そのため、安定した家賃収入を基盤にしつつ、REITで分散と機動性を補う組み合わせを検討することで、節税と資産形成の両面からバランスのよいインカム重視のポートフォリオを構築しやすくなります。

項目 現物不動産投資 REIT投資
インカムゲインの源泉 個別物件の家賃収入 複数物件の賃料分配金
収入変動の主な要因 空室率・賃料水準 不動産市況・金利
リスク分散のしやすさ 少数物件で分散しにくい 用途分散・物件分散
流動性と売却のしやすさ 売却まで時間と手続き 市場取引で売買可能
長期資産形成との相性 安定収入だが集中投資 分散投資で複利効果

税金から見る不動産投資とREITのインカムゲイン比較

現物の不動産投資で得られる家賃収入は、「総収入金額から必要経費を差し引いた金額」が不動産所得として課税されます。
この必要経費には、固定資産税や火災保険料、管理委託料に加え、建物部分の減価償却費などが含まれます。
特に減価償却費は実際の支出を伴わない経費であり、帳簿上の利益を抑えて課税所得を圧縮する効果が期待できます。
こうした経費計上を組み合わせることで、インカムゲインを受け取りながら、手取りを意識した税負担のコントロールがしやすくなります。

一方で、REITの分配金は配当所得として扱われ、多くの場合、支払時点で税率20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)が源泉徴収されます。
この税率は上場株式の配当と同水準であり、申告不要とするか、申告分離課税として他の上場株式等と損益通算するかを選択できます。
また、新しいNISAの成長投資枠などを利用してREITを保有した場合、その枠内で得られる分配金や将来の譲渡益は非課税となります。
制度を活用することで、同じインカムゲインでも手取りの水準が大きく変わる点が特徴です。

インカムゲインとキャピタルゲインの税負担にも違いがあります。
REITの分配金や売却益は、上場株式等と同様に原則20.315%の税率で課税され、保有期間にかかわらず税率は一定です。
これに対して、家賃収入は給与などと合算されて累進課税の対象となる一方、減価償却や各種経費によって課税所得を抑えやすいという側面があります。
このように、インカムゲインとキャピタルゲインそれぞれの税率と控除の仕組みを踏まえて比較することで、トータル利回りや手取りベースの収益性をより正確に把握することができます。

項目 現物不動産投資 REIT投資
インカムゲインの課税方法 不動産所得として総合課税 配当所得として源泉課税
経費計上の余地 金利や減価償却など幅広く計上 投資家側では原則計上不可
NISA活用による非課税 対象外のため通常課税 NISA口座内の分配金非課税

節税と資産形成を両立させる投資戦略の考え方

節税と資産形成を両立させるためには、まず自身の所得水準や保有資産額、年齢によって負担している税率や取れるリスクの範囲が異なる点を整理することが大切です。
例えば給与所得が高く累進課税の影響が大きい方は、不動産所得の経費計上や減価償却を活用することで、課税所得を抑えつつインカムゲインを確保する選択肢があります。
一方、少額から分散投資を重視したい方は、J-REITの分配金と値動きを組み合わせて、価格変動リスクを許容しながら長期の資産形成を図る考え方もあります。
このように、現物不動産とREITの特徴を踏まえたうえで、自身の状況に合う比率を検討することが、無理のない投資戦略につながります。

次に、将来の売却時の税負担を見据えた「出口戦略」をあらかじめ想定しておくことが重要です。
現物不動産の譲渡益は、保有期間に応じて所得税と住民税の税率が変わる一方で、売却までの間に減価償却費を積み上げることで、保有中の不動産所得の課税を抑えつつインカムゲインを受け取ることができます。
他方で、REITの分配金や売却益には通常、約20%台前半の税率が適用されますが、新しいNISA口座内で保有する上場REITの分配金や譲渡益は、所定の条件を満たせば非課税とすることができます。
インカムゲインをそのまま生活費に充てるのか、あるいは再投資して複利効果を狙うのかによって、将来の資産残高は大きく変わるため、出口と再投資方針を一体で考えることが大切です。

さらに、長期の資産形成では、インカムゲインの水準だけでなく、税金とリスクの三つのバランスを意識することが欠かせません。
国土交通省や不動産関連の調査では、J-REITは分配金によるインカムリターンが相対的に安定している一方で、市場価格の変動幅が大きいことが指摘されており、現物不動産は価格変動が緩やかな代わりに個別物件の空室や修繕といったリスクを負うという特徴があります。
そのため、安定した家賃収入を軸にしつつ、余裕資金でREITを積み立てるなど、インカムゲイン源を分散することで、景気変動や金利変化への耐性を高めることができます。
最終的には、税制優遇の活用、インカムゲインの再投資、リスク分散という三つの視点を組み合わせて、自身のライフプランに合った長期戦略を構築することが重要です。

観点 現物不動産のポイント REITのポイント
節税との相性 経費計上・減価償却で所得圧縮 新NISA活用で分配金非課税
インカムゲイン特性 家賃収入の安定性と空室リスク 分配金の安定性と価格変動
長期資産形成 ローン返済後の純資産積み上げ 少額分散と再投資で複利効果

まとめ

不動産投資とREITは、どちらもインカムゲインを軸に資産形成を目指せますが、税金やリスク、手間のかかり方が大きく異なります。
ご自身の所得水準や保有資産、投資期間を整理したうえで、どの程度の安定収入を目指すのか、どこまで価格変動リスクを取れるのかを一緒に検討することが重要です。
当社では、不動産とREITの特徴や税制を比較しながら、お客様ごとの状況に合わせたポートフォリオ構成や節税スキームをご提案しています。
具体的にどのくらい税負担を軽減できるのか、インカムゲインをどのように再投資すべきか、個別に試算いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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